仕事の選び方  ~超絶初心者向け就活の基本~

 

この記事では、私が就活で得た情報を基に仕事の選び方を紹介する(文系向け)。いきたい業界が決まっていない人の参考にしてほしい。

将来のことを全く考えず大学時代を過ごし、キラキラしてそう、楽しそうなどと仕事の表面しか見ていなかった筆者が、仕事のリアルを知っていった中で考えるべき点をまとめたものだ。公務員から民間もあらゆる業界を検討したので、その情報を提供したい。筆者は合理的に選択をしたいタイプなので、特徴やメリット・デメリットを中心にまとめた。情報に偏りがあるかもしれないので、あくまで一意見としてとらえてほしい。

 

<目次>

・民間か公務員か

  公務員を選んだ場合

・民間の選択肢

・転勤なしの選択肢

・職種

●民間か公務員か●

まず、仕事選びの際に考えてほしいのは、民間か公務員かである。公務員を選択肢に含むかで、就活の過ごし方が全く変わる。

民間は、商品やサービスを世の中に提供することで自社の利益を得ることを目的としている。一方で公務員は、利益の追求ではなく、公共の福祉のために尽力する存在だ。

一番大きな違いはリストラの有無だろう。不景気の時に好まれるのは、安定して福利厚生も充実している公務員。一方、民間で最近増えている完全実力主義の会社であれば、成果分給与が上がるという特徴がある。

公務員は、安定していて、ネームバリューもあるが、仕事がつまらないと言われたりもする。マニュアルがある仕事も多く、転勤もあまりないことが特徴だ。(国家総合職は除く)

 

<公務員を選んだ場合>

公務員を選んだ場合でも、たくさんの選択肢がある。例えば国家総合職、国家一般職、東京23区、東京都庁、裁判所職員、国税専門官、地方公務員(県庁、市役所)など。

それぞれ仕事内容、勤務地など全然違うので詳しくは調べてもらいたい。国家総合職だと試験が4月の終わりに始まったりする。3年生の9月までには勉強を始めておきたいところだ。

民間と比べて、試験でのフィルターがある分、面接の倍率はとても低い。女性の採用を近年積極的に行っている印象なので、女性は有利かもしれない。ただ、最近は面接重視の試験を採用しているところもあるので、注意が必要だ。

 

●民間の選択肢●

民間を選んだ場合、特に文系にはありとあらゆる選択肢がある。そこで、行きたい業界が何も決まっていない場合、実際問題何を考える必要があるかを紹介する。

 

①大企業が中小企業か(ネームバリューの有無)

大企業か否かは資本金や従業員数で決まっているが、いわゆるみんな知っているような企業が多い。=ネームバリューがある。大企業は、福利厚生もしっかりしていることも多く、仕組みがしっかりしていて安定している。倍率も高くなるだろう。

中小企業は、企業規模が小さい企業をイメージすればよいだろう。日本の企業の99%は中小企業といわれているので、中小企業に勤める人は非常に多いだろう。中小企業は世間に知られていない企業が多く、ネームバリューがない。だが、人が少ない分、大企業でおこりがちなあの人誰だっけというのが少なく、全員顏見知りで比較的温かい会社が多いように感じる。

 

②転勤の有無

私は転勤をしたくなかったので、これで苦戦することになる。転勤の有無。最近では、転勤が嫌だと考える人が増えているようだ。

私は社会を何も知らずに生きてきたので、説明会を聞いて転勤のある企業多さに驚いた。「転勤がある=全国に支店がある=大企業」が一般的に成り立つ。

大企業に入りたいと思う就活生も多いと思うが、大企業なら転勤を避けるのが難しいというのを受け止めなければならない(大企業で転勤がないものは後述している)。

転勤のメリットとしては、新しい土地で新たな出会いがあったり、その土地の美味しいものを食べられるなど。

個人的主観としては、転勤はデメリットが多いと感じ、仕事選びの一番の条件を転勤がないことにした。デメリットとしては、将来設計が立てづらく、常に落ち着かないことだ。せっかく慣れたと思ったら、離れて、新たな土地で一からやっていかなければならない。当然メンバーも住む場所も変わる。そこで築いた人間関係も一旦終わる。出会いと別れを繰り返す人生になる。そして、知恵袋などを見て最も見るデメリットは、子供ができた時子供に転校させる、または自分が単身赴任しなければならないことだ。特に友人関係が大切になる子供時代に辛い思いをさせるのは辛いし、家族のために働いているのに、結局家族との時間が持てなくなるのでは元も子もない。俗に言う「転勤族」「単身赴任」にはマイナスイメージが伴うのはそういうわけだ。

ただ、転勤には出世が伴うというし、いろんな経験を積める。独身のうちは特に困らないかもしれない。

また、転勤にも海外も含めた広い地域でのもの、国内のあるゆるところ、国内の主要都市のみなどいろいろ種類があるので、これだったら許せるというものも検討してほしい。ちなみにメーカーは工場勤務などもあり、工場はだいたい辺鄙な場所にあるので注意が必要だ。転勤スパンも企業によって違うので確認してほしい。一般的に3~5年で、年齢を重ねるとその頻度は減っていくようだ。

 

③総合職か一般職か(キャリアを積むか積まないか)

昨今は、圧倒的に総合職が多い。今就活生の親世代では一般職も多かったが、時代が変わった。

まず定義を確認する。

一般職:総合職のサポート業務を行う。書類作成や電話対応などの定型業務が多く、仕事範囲が限定されている。

総合職:企業の様々な仕事を経験する。異動や転勤も多い。

 

一般職は中国などにアウトソーシングしたり、IT・機械化されたりというのが進み、求人がそもそも少ない。アルバイトや派遣社員契約社員が担うことも多い業務だ。スキルアップがしにくく、キャリアを積んでいくのは、専門的な業務(経理など)を担わなければ難しい。

ただ、給与よりも仕事内容を重視し、一般職を志望する人は多くおり、特に大手の一般職採用は物凄い倍率である。

総合職は、安定を得られる一方で、配属によって働くメンバー、勤務地、時間、仕事内容が異なり、どうなるかわからない。その分、給与が一般職よりも高いという特徴がある。

 

●転勤なしの選択肢●

筆者は転勤なしを選択したわけだが、転勤なしなら何が選べるかを一部紹介する。他にもあると思うので、詳しくは探してほしい。

注意点は、転勤なしの時点で非常に選択肢が狭くなり、また高倍率なものも多いのが特徴である。

①一般職(事務職)

②中小企業

③エリア限定職(金融)

④IT業界

⑤大手テレビ局(NHK以外)

⑥大手出版会社

⑦大手エンタメ(音楽、映画、レジャーなど)

⑧私鉄

コンサルティング

⑩大学

⑪公務員

 

①一般職(事務職)

これは、大手求人サイトでも職種別採用をしているところで選べたりする。例えば経理職採用などだ。また、管理職の非公開求人をオファーサイトで行っている企業もある。探すのは大変で、倍率も高いことが予想される。

 

②中小企業

中小企業は単純に一つの本社しかなく、支社がないので転勤がない。拡大期の企業では、全国展開にしていく中で転勤が発生する可能性はある。中小企業なので、あらゆる業界があてはまる。

 

③エリア限定職(金融)

銀行や保険、証券などの金融ではエリア限定職を設置していることが多い。総合職より倍率が低いことが多い。ただ、企業によってエリアが異なり、転居を伴う異動がないところもあれば、関東などの大きな区画でのエリア限定で、転居を伴う異動があるところもあるので注意が必要だ。

最近では、金融以外にもエリア限定職を設置する企業も増えているようである。

 

④IT業界

これは想像通りかもしれないが、ITなのでパソコンさえあればどこでもできるという特徴からだ。最近ではNTTが完全リモート化すると話題になった。これからの時代ますます需要が高まる業界であり、在宅勤務もしやすい。夫や妻の転勤についていけるというメリットもある。

このIT業界にも種類があり、例えば社内SEと社外SEで全然違う。社内SEは自社のIT部門を担っているものであり、金融からエンタメまであらゆる企業で今IT部門を募集している。社外SEは取引先の企業に駐在したりして、他社のシステム部門を担う。働き方も仕事内容にも様々な種類があるので、詳しくは調べてほしい。

 

⑤大手テレビ局(NHK以外)

民放キー局は、東京に集中しているので、転勤がない。NHKは全国転勤が主で、最近は地域限定職も採用しているようだ。ただ、倍率が物凄く高い業界なので、入るのは至難の業だ。

 

⑥大手出版会社

こちらも、東京に集中している。倍率の高い業界だ。

 

⑦大手エンタメ(音楽、映画、レジャーなど)

本社が一つしかないことが多い。ただ、採用枠が少ない上に、人気業界であるため、倍率は高い。

 

⑧私鉄

企業により転勤はあるが、私鉄沿線での異動となり、自分の住む場所によっては転勤をせずに済む。

 

コンサルティング

一般的に転勤が少ない業界とされている。ただ、注意が必要だ。最近は駐在が業界のトレンドで、その企業にずっといることで相談しやすい環境の中でより良い提案をとなっている。これも企業によるが、出張をしょっちゅうし、始発で行って終電で帰る生活をする企業がある。また、地方でも駐在するため、週末の度に帰省し、普段はホテル暮らしという企業も存在する。

これらは、完全にアサインされるプロジェクト次第だ。自宅から通えるところの担当になるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。その企業がどういう働き方なのか詳しく聞いてみる必要がある。

 

⑩大学

キャンパス間での異動はあるが、キャンパスが都内近郊に展開していることが多く、転居を伴う異動をしなくてすむことがある。ただ、こちらも非常に倍率が高い業界なので注意が必要だ。

 

⑪公務員

最初に考える公務員という選択肢もそうだ。国家総合職のように、全国どころか海外転勤もある職種もあるが、転勤をせずにすむ職種も多い。また、総合職と一般職も選べたりするので、何があるかは詳しく調べてほしい。

 

●職種●

業界はたくさんあるが、行きたい業界がある場合を除き、職種で考えた方が選びやすいように感じる。

初めに、当たり前のようで、筆者のように何にも知らなかった就活生にとって衝撃だったのは、文系の7割は営業職ということである。

 

・営業職

そこでまずは営業職について紹介する。

営業にもいくつか種類があり、大きく分けて新規開拓のための営業ルート営業がある。新規開拓のための営業は、電話がけ、ポストにチラシ投函などから、将来の顧客になりそうな人が出席するような会合に出席し、自分を売っておくものなど、地道なものが多い。ルート営業は、主にいつもの相手との関係を太くしていく営業。新しい商品やサービスが出たらその都度提案したり、関係をずっと続けていくための営業。

営業は個人仕事が多く、目標という名のノルマを課されることが多い。外回りになることも多いので、体力・精神力共に必要となる。

よく営業は大変だから嫌という人も、就活の時はそういう思い込みで判断してはいけないというが、それは営業職の求人が多いから選択肢を狭めてはいけないからというだけ。正直勉強と違い、やれば必ずしも上手くなるものではなく、もとのセンスが重要だ。たとえ提案営業でも、日頃から信頼関係を築いた上での営業になるので、日々の雑談も含めてコミュニケーション力は必須。ノルマが嫌だからという単純な理由で営業を避けるべきではないというが、至極全うだと私は思う。営業は自分が売りたくもないものかもしれないものを、別に好きでもない人と会話して、ノルマに追われて売るのである。でも、人と競争したい、頑張った分評価されて給与に反映してほしい、出世したいという人が向いている

ちなみにノルマに追われるというが、私が先輩に聞いた話では、目標という形になっていて、それを達成できなかったからといって詰められるわけではないと言っていた。ただ昇進には影響するだろう。日頃から関係を築いている人に、ちょっと今月これ売らなきゃいけないから買ってと正直に言って、買ってもらうこともあるという。そういう意味でも、信頼関係を築ける人は営業に向いている

 

・販売・サービス職

営業以外の選択肢として他にあるものを紹介する。まず販売・サービス職。

こちらも営業と同様ノルマはあるが、営業は個人なのに対して、サービス職はチーム全体での売り上げが重要になる。また、自分から契約を取りに行くのではなく、来てくれた人に提案・サービスをする点で異なっている。

働き方としてはシフト制が多く、土日祝日など多くの人が休みの時こそ稼ぎ時のものが多い

 

・エンジニア

文系の仕事の選択肢として最近増えているのがエンジニア。

IT化が進む中で非常に需要がある職種。業界のところでも説明したように、在宅勤務ができ、スキルを身につけることができる。

ただ、これもセンスが重要になる職種。向き不向きがはっきりしている。よかったら、学校の授業などでプログラミングに触れてみて、向いているか試した方がよい。

筆者は、正確に丁寧にやることは得意なので、向いていると思ったが、授業を受けて向いていないと思ったし、バグの修正など少し合わないものを地道に修正するのがすぐに嫌になってしまうタイプなのでストレスが溜まるタイプであると判断し、やめた。

 

・施工管理

あまりなじみがないであろう施工管理。これは工事現場なので職人の管理をする仕事。ノルマはない。ただ、男性社会のため、女性の働きづらさはあるかもしれないが、最近は女性も増えているそうだ。

 

・事務職

これは、法務・総務・経理・人事などの仕事から、データ入力、メール・電話対応、営業の補助などまで様々な仕事がある。ただ、求人が少ないのが注意点だ。

 

正直、事務をやるならどの業界でも変わらない気がするし、特別その商品・サービスに思い入れがない限りは、職種の方が重要になってくる。

入社して、何をするのか具体的にイメージできるかが仕事選びで大事になってくると思うので、以上を踏まえて、ぜひ考えてみてほしい。